スーパーカブ90DXフォーク交換。それよりエンジン音が気になって・・・

T様のカブ90DXですが、不慮の事故でフォークが溝にはまってしまったとのことで、フロントフォークASSYとベアリングを交換させていただきました。
その際の写真はありません(すいません・・・)

それより気になっていたのがエンジン音です。ものすごいタペット音がするので以前お越しいただいたときから気になっていました。
T様に伺うと某Mパーツのヘッド、カム、シリンダーを組んだが、タペットクリアランスを大きくとらないとエンジンが吹けないので、
仕方なくこの仕様のまま乗っているとのことでした。その状態でもメーターは振り切るとのこと。

どうしても気になるので(笑)一度バラさせてくださいと連絡して分解することに。
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まず気になったのがマフラーのフランジ締め付け部。かなりのトルクで締め付けられておりフランジプレートが曲がっています・・・
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タペットキャップを外してアジャストスクリューを見るとかなりネジ部が余っています。普通はありえません。
もちろんシクネスゲージで測るどころではない過大なクリアランス。
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一度既定値の0.05に調整してみます。ネジの余りの少なさがわかりますよね。
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念のためバルブタイミングを見ておきますが、圧縮上死点のTマークを合わせるとカムギアの0マークが反対側にあります(笑)
180°ずれてるので、バルタイはあってるんです。
たまにこの組み方をしている方がおられるんですが、どうやって組むんだろ~と毎回思います。
多分オーバーラップ状態で組んでるんでしょうか。

ご自身で組まれる方にアドバイスしておきますが、フライホイールを左に回しながら、圧縮上死点は吸気バルブが開いて閉じた後、
すなわち上部のロッカーアームがバルブを押してから、また戻ってきた後のTマークが圧縮上死点となります。

さて、クリアランスを正規の状態に戻してエンジンを始動。かかりますが上がまったく吹けません・・・
そういえば昔経験があるような・・・

はっと思い、ヘッドカバーを開けると
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やっぱり!これを見てすぐに気づいた方は、かなりの数をこなしていると思います。
答えは後ほど・・・
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ヘッドを外すとあら?カムチェーンガイドローラーが転がってきました・・・でもシリンダ側のボルトは刺さったままです。
ということは、取り付け不良によりカムギアとマウントボルトの間で暴れていたんですね~
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ご覧のとおりズルズルになっちゃってます(泣)もちろん交換します。
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さて、先程の答えですが、このカムシャフトはデコンプカムと呼ばれるもので、エンジン始動時に圧縮を人為的に抜いてやる機構がついています。
向かって左側に本来ならプレートがついていますが、これは右についていますね。これではデコンプの意味も果たさないばかりか、
排気側のロッカーアームに定期的にデコンプカムの突起部が当たって圧縮抜けを起こしてしまい、吹けない状態になるのでしょう。

で、最初に気になったマフラーフランジの曲がりですが、フランジがあれだけ曲がっているということは
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こっちも曲がってますよね。幸いキレイに抜けたので新しいEXスタッドに交換しときました。
ヘッド周りのガスケットをキレイに剥がし、燃焼室内のカーボンを落として、カム周りの部品を正規の状態で組み付けて
ヘッドを組んで、マフラー付けて、キャブ付けてエンジン始動!

めちゃ静かですやん!これですよこれ。よかった~もとに戻って。
社外品のパーツの中には説明書が無いものもあります。逆にいうとなくても組める知識が必要など思います。
みなさんも気をつけて。そして、変だなと感じたら一度ご確認ください~





by motorheadcyclesp | 2017-09-18 20:17 | 修理・整備作業日記

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